「あ・・・」


緊急クエストに参加しているパーティー一覧をみていた手がピタリと止まる。

難易度ノーマルに挑もうとしている人がいたのだ。

でもパーティーへの参加者は今のところなく、別パーティーの参加者もいない。

その方のレベルは20代後半、
腕試し・・・とも考えられなくもないけどちょっと厳しそう。

もう一度パーティーの詳細をよくよく見てみるけど、
コメント欄には何も書いてないしプレイスタイルもいじっている様子はない。

でもパスワードを設定していないところをみるとやっぱり腕試しとかではなさそう。


『うーん、これは勝手に入っちゃっても大丈夫かな?』


なんてしばらく悩んでいたけど、
思い切って“別パーティーで参加する”のことを決めた。



その人のパーティーと同じマルチエリアに参加するために、


“ブロックを移動しますか?”


といったニュアンスのシステムの文字をみたときに、
『あ、参加して良かったかも』ってちょっとだけ安心した。


だってその人のパーティーはチャット推奨ブロックにあったから。



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さてさて、2月も後半のこの日。


「もうすぐおやつの時間かなー?」


といった頃に私はオラクルへとやってきました。


相変わらず毎日はログインできないけれど、
空いた時間をみつけてはちょこちょこ遊んでしまうぐらいにすっかりPSO2にはまっちゃってる私です。

メールやグッジョブの返事を書いたりマイショップの整理なんかをしていると、
突然アークスシップが赤に染まり緊急クエストが発生しました。

発生したのは“闇のゆりかご”というクエストで、


『ダーカーの巣をみつけたらからアークスの皆で倒しにいってきて!』


といった感じの内容のようです。


「どうしようかなー、参加しようかな?」


なんて思いながらハード推奨ブロックへと移動した私でしたが、
平日の午後というコトもあってか周りにはだーれもいません。

本当にがらーーんとしているのです。

心なしかクエスト受付カウンターのNPCさんも暇そうにしている気がします。


『うーん、これはパーティーを組むのは難しいかなー?』


なんてまわりの様子をみてそう考えた私は、


『よし、じゃあ腕試しでもしようかなー!』


と思いつき、難易度ノーマルにソロで挑んでみることにしました。



さっそくパーティーを作り、
難易度やらパスワードやら決めて緊急クエストをうけようとしたのですが、


『今、難易度ノーマルに挑んでいるアークスさんはどれぐらいるのかな?』


なんてコトを考えてしまい、
難易度ノーマル推奨に挑んでいるパーティーをのぞいてみることにしたのです。


「どれどれ・・・ほうほう」


はやり平日の午後ともあってか参加している人は少なかったのですが、
それでもちょこちょことパーティはありました。


『へー、人数少ないっていわれてるship6だけど意外と新人さんは多いのかもなー』


と、パーティー一覧をみながら勝手に妄想をめぐらさせていたときでした、
ある緊急クエストに挑もうとしているアークスさんのパーティーをみつけてしまったのです。


レベルは20代後半。

フレンドパートナーもつれていないし、
別パーティーの参加者もありません。


『もしかして参加メンバーが集まらなくて困っているかもしれない』

『私が行けばなにか力になれるかもしれない』


なんてそんな妄想しちゃった私は、
少し悩んだ後その方のパーティーとは別のパーティーで参加することにしました。

ブロックの移動が終わると急いでキャンプシップへと向かい、
能力アップのドリンクをグーっと飲み干しクエストのスタート地点へ。


テレパイプから降りると、
ポツンと1人でいるアークスさんの姿。

近づいてみると真っ白いボディーに赤いラインがステキなキャストのRさんという方でした。

パッとみた感じはマグはまだ進化していないし、
サブクラスもメインクラスよりも低い様子。


『初心者さんかもしれないケド・・・、セカンドキャラクターのアークスさんかもしれないなー』


なんてイロイロ想像しながら、


「宜しくお願いしまーす!」


と声をかけると、


「宜しくお願いします!」


という返事と同時に、
クエスト開始をスタートするカウントダウンがはじまったのでした。



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挨拶もそこそこにRさんがクエストがスタートしたので、


「やっぱり参加者を待っていたのかな?」


と少しホッとしたのもつかの間。


「私と彼女だけで挑んで大丈夫かな・・・」


なんて思ってしまい、またドキドキしてきます。


『3、2、1、GO!!』


クエストが開始されると私はシフタをふりまきながら、
Rさんの後ろをついていくコトにしました。

Rさんと協力して、
でてくるダーカーを『おりゃーー!』と切り倒していきます。

さすがに難易度ノーマルなのでへっぽ子アークスの私でもそこそこの活躍ができて、
少しずつ前に進んているときでした。

PSEバーストが発生したのです。

ワラワラとでてくるダーカーたち。

こうなってしまうとRさんのコトを気にする余裕がなくなってしまい、
私はただ必死にカタナをぶんぶんと振り回すコトしかできませんでした。

それでもRさんも私もなんとかふんばって、
倒れることなくやっとPSEバーストも終わりに・・・と思っていたそんな矢先、


『ワンモア!』


と、軽快なアナウンスが…。


「ええええーーー!!」

「ひえええ、ひえええw」


もう叫ぶしかない私たちです。



そんなこんなでワンモアででてくるダーカーと格闘していたら、
なにやらベイゼが爆発しちゃうし。

やっとたどりついたエリア2では空中に浮かぶ戦闘機に苦戦しちゃうし・・・。

ですがどうにかこうにか最新部へとたどり着き、
クエストをクリアすることができたのです。


『なにか力になれるかもー!』


とやってきた私でしたが結局のところ、
Rさんにしてあげれたコトとは


“むちゃくちゃにレスタをふりまきながら、ただやみくもにカタナを振り回す姿をみせるコト”


でした・・・。

先輩アークスとして華麗に優雅にファンタスティックに動き、
あわよくばRさんが『ねこさんステキ!』なんて目を輝かせてくれるんじゃないかと。

実はそんな妄想をちょっとだけしていたコトはココだけの秘密にしておきましょう。







その後、少しだけRさんとお話しするコトができ、
RさんはPSO2をはじめてみたばっかりだったコトが分かりました。

私はRさんがオラクルへときてくれたコトを嬉しく思い、
思わず「ようこそ、PSO2へ!」なんて偉そうなコトをいってしまいました。


そしてRさんにとって今後オラクルで過ごす時間が、
“ステキな出会い”と“ステキな冒険”にあふれるコトを祈ってログアウトしたのでした―――。


ようこそ、PSO2へ!