「すべての塔が破壊されました!」

オペレーターが残酷な事実を私たちに告げる。

その言葉を確かめるように辺りを見回してみれば、
四本あった守るべき塔はすべて壊されてしまっていた。

その無残にも壊されてしまった塔の周りには、
あたかも目的を達成し歓喜にあふれているかのように、
勝手気ままに走り回る無数のダーカー。


『難易度が1つ違うだけで、こんなにも難しくなるんだ・・・』


私は何も出来なかった自分に腹立たしさを覚えながら、
ただその無残な光景を見ることしか出来なかった。


その光景はまさに、
“絶望”と呼ぶには相応しいモノだった。





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さてさて、クリスマスプレゼント集めにオロオロしていたその日。

ファーストキャラクターでログインした私は、
デイリークエストを『エイヤー!』と気合いを入れて挑んでいました。

そしてほどなくしてクエストをクリアし、
キャンプシップへと戻ってきた時です。

急に辺りが赤く染まったかと思うと、
緊急クエスト“採掘基地防衛戦・絶望”がはじまるコトを、
知らせるアナウンスが流れたのです。

丁度デイリークエストも一区切りがついたところだったので、
私はこの緊急クエストに参加することに決めました。

防衛戦の“絶望”はとても難しい緊急クエストなので、
いつものように難易度ノーマルに挑もうと思った私は、
ビキナー推奨かノーマル推奨のロビーへ移動しようとテレパイプへ向かいます。

その時にフッと頭に、


『そろそろハードでも大丈夫なんじゃないかな?』


という考えが浮かんできました。

と言いますのも、
先日ブレイバーが上限レベルの40になったからでした。




このところブレイバーの練習をしながら初心者さんと凍土を回ったり、
防衛戦の侵入を知り合ったフレンドさんとペアで挑んでみたり、
緊急クエストが来れば積極的に参加したり、
クリスマスプレゼントを買うためにデイリークエストを必死にクリアしていたり…などなど。

いつも以上にアークスとして動き回っていたものですから、
あっという間にブレイバーのレベルが上限の40になってしまったのでした。



ちなみにですが、
上限と言っても今のPSO2の最高レベルが40と言うわけではありません。

今のPSO2の最高レベルは75なのですが、
そこまでレベルを上げるためには、
二回の“レベル制限解除試練”と言うクエストをクリアしなければいけません。

そして私はまだ二回目の“レベル制限解除試練”をクリアしていなかったため、
レベルに制限がかかってしまい、
上限レベルが40のままだったのです。

でも特にレベル上げを急いでいない私は、


『これ以上あがらないなら、しばらくこのままでもいいのかなー』


なんて思ってこのクエストのクリアを後回しにしていました。




と、まあそんなこんなで。

晴れてメインクラスのバウンサーもサブクラスのブレイバーも、
上限レベルの40になった私です。

ですので、


『どれぐらい自分が強くなったのか、試してみたい!』


と、そんな気持ちがムクムクと湧き上がってきてしまったのでした。




そこで私は行き先を『ハード推奨ロビー』に変更すると、
テレパイプを起動させました。

光のトンネルを抜けてハード推奨ロビーに着いた私は、
練習中のブレイバーではまだ上手く戦えないので、
メインクラスを自信のあるバウンサーに変えようと思い、
バタバタとクラスカウンターへ走って行きます。

イソイソとクラスを変えて軽く装備やアイテムを確認すると、
また来た道をバタバタと戻ってクエストカウンターへ向かいました。

クエストカウンターの前に着くと、
私はいつもより大きな声で受付のお姉さんに話しかけます。


「防衛戦に参加します!あ、難易度はハードでお願いします!」


いつもよりテンションの高い私を不審な目で見ながらも、
手早く手続きを済ませてくれたお姉さんにお礼を言いながら、
「さあ、はりきって行きましょう!」と私はキャンプシップへ乗り込みました。

そしてプレミアムドリンクを一気に飲み干し、
採掘場へと続くテレパイプに飛び込んだのです。



こうして意気揚々と採掘場へとやってきた私でしたが、
集合場所の大型テレパイプへ入り込んだとたんに、
なんだか胸がドキドキしてきました。

『おかしいなあ、見慣れたはずのいつもの集合場所なのに・・・』

そんなコトを思いながら辺りを見まわします。

そこにはぞくぞくと集まるアークスさんたち。

なぜこんなにも皆さんから、
ただならぬオーラを感じるのでしょうか?


『これが難易度ハードの“絶望戦”か・・・』


いつの間にかカウントが開始されたテレパイプの真ん中で、
難易度ハード独特の雰囲気に飲み込みこまれてしまった私は、


『大丈夫、私は強くなったんだから!』


そう自分に言い聞かせながら、
「ごくりっ…!」と、生唾を飲むのでした。






と、ここで長くなってしまいそうなので、
続きは後半にて書きたいと思いますー!


こら、逃げるな―!